ブラッドダイヤモンド -ダイヤモンド採掘と内戦の悲劇-

プライム会員無料の映画ブラッドダイヤモンド(主演:レオナルドディカプリオ)が予想外に面白く、私としては、本年上位のヒット作でした。社会派映画が好きな人向け。

 
本作は内戦中のシエラレオネが舞台、内戦の悲劇と紛争の資金調達のために不正不法に取引される紛争ダイヤモンド(ブラッドダイヤモンド)がテーマになっています。
政府軍と反政府勢力RUF(革命統一戦線 Revolutionary United Front)の激しい対立の中、漁師のソロモンは、村をRUFに襲われ拉致されてダイヤモンド採掘場で強制労働をさせられます。
彼はそこで100カラットになろうかというピンクダイヤの原石を見つけ、採掘場の近くに隠します。このダイヤの存在を偶然知った元傭兵のダイヤブローカーアーチャー(レオナルドディカプリオ)は、ソロモンを利用しようと近づきます。しかし、ダイヤ利権をめぐる内戦やピンクダイヤを狙うRUFの大尉、民間軍事会社率いるアーチャーの元上司である大佐の争いに巻き込まれながらもバラバラになった家族を心配し命をかけても守ろうとするソロモンと行動を共にするうちに、アーチャーも変わっていくが、というのがストーリーです。
 
映画は、紛争ダイヤモンドの取引を防止するキンバリープロセスが制定されたことを指摘して終わります。でも、このキンバリープロセスは、紛争ダイヤモンドの取引を禁止するだけで、今でもダイヤモンドの採掘現場では子供が酷使されたり、劣悪な環境で低賃金でダイヤを探させられたりしており、問題はつきません。
キラキラ光るダイヤモンドは、女性の永遠の憧れ。でも、このダイヤモンドがどのようなルートを経て原産地から消費者の手元に来たのか、考えた事がありますか?
 
映画では、他にも親元から無理やり引き離され覚せい剤漬けにされて暴力・殺人行為を教え込まれる少年兵、人が撃たれている現場で助けることをせずに写真を撮る先進国のジャーナリスト、ダイヤの過剰供給を防ぐために内戦を長引かせつつ、紛争ダイヤを買い上げるダイヤモンド大手D社などが描かれていて、観る人に問題提起をしまくります。
 
全然聞き取れないアフリカ訛りの英語を使いこなしながら、ジンバブエ出身で9歳で国を追われ、傭兵となりアンゴラ内戦に参加したダイヤモンドブローカー役のレオナルドディカプリオもよかった。見た目と良い役回りで一気に人気者になった後にコツコツ演技を磨いてきたんだろうなぁというのが伝わってきてキュンとします!
 
プライム会員は無料なので台風で外出できない週末に読むのにうってつけ!!

ブラッド・ダイヤモンド (字幕版)

DVDもあるよ。

ブラッド・ダイヤモンド [DVD]

記事または、映画を観てダイヤモンドに興味がでたら、ダイヤモンドが人道・環境配慮の上、採掘・カット・製造されることが当たり前の社会を目指して活動している非営利の団体ダイヤモンドフォーピースさんもよろしく。