銀座のお寿司屋さんで学んだ一流のおもてなし その1
ここで、告白します。
実は私、日本に住んでいながら、生魚が食べられないんです。嫌いなのではなくて食べるとまろやかにお腹が痛くなる体質なんですよね。
なので、超絶グルメなイケメン社長に、鮨会にお誘いいただいたときも、実は生魚がたべられなくてとお断りしようとしたら、
「それはキツイですね。
炙りとかはいいんですかね?
生以外で何かできるか聞いてみます。」との返信。
えっ??
お寿司屋さんに生以外のもの食べにいっていいの??まずこれが軽い衝撃。
とりあえず,ダメもとでトライすることの重要さを学びながら,6年ぶりくらいにお寿司屋さんに足を踏み入れてきました!!
しかも銀座の一流店!
お寿司屋さんに入って
「こちらが生食べられない方?」とにこやかに聞かれたときも,
「はい。そうなんです。」とびくびくしていて自分で「生魚食べられないんだったらくるんじゃねぇって感じですよね?」と超卑屈に席に着いた私。
そんな私に職人さんは。
「大丈夫ですよ!結構海外からいらっしゃる方で生ダメって人もいらっしゃるんで」(爽やか)
あっそうなんだ。そのときの日本において存在を認められた安心感。生魚イーターには分からないですね,きっと。
しかし、さらにメニューが進む中,話の流れで職人さんからさらに衝撃の一言が。
「こちらのお客さんはお寿司あぶってるから,少し身がかたくなるので,お米の量気持ち大目ですね。」「あとは,お客さんがどこでかんでるかによってもしゃりの量調整してます。」
な,なんと!!その人は,ネタに火が通っているか否かさらには,お寿司握りながら,食べている人の様子をみて前歯の方でかんでいるか,奥歯の方でかんでいるかによってしゃりの量を変えていたのである。それによって,口の中でのしゃりのほぐれ具合がちがうんだとかなんだとか。
おそるべし銀座の寿司屋!!
お寿司は基本身が生の方が柔らかくて,酢飯とのハーモニーがあっておいしいわけですよね。職人さんとしては,それはあぶったりとかしない普通のお寿司を食べて欲しいと思うのが普通。
でも,「こっちの方がおいしいんです!!」って生のお寿司提供してもお客さんが食べられなかったら意味がないじゃないですか。
かといって,「てやんでぃ生じゃない寿司なんか出せるか!けえれ!」っていうのは簡単だし,職人魂は満足するかも知れないけれど,それって,お客さんはせっかくのお寿司が全然食べれない自己満足でしかない。
だったら,少し完成度が落ちてしまっても火をとおして提供してまずは食べてもらう。その代わりに,しゃりを調整することで完成度を上げる!!
つまり,おもてなしに重要なのは,自分が完璧だと思うサービスを相手に押しつけるのではなく,相手の土俵に乗っても自分なりの完璧が難しくなったとしても工夫して最高のパフォーマンスを引き出すことなのだなぁ,ということをおいしく学んだのでした。
(多分)続く(^^;;